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農作業時の「女性のトイレ問題」を解決!キウイ園地にコンポストトイレを建設

 JA管内の立花町白木で「ムラ暮らしインターン」の一環で研修生たちが、土に還る「コンポストトイレ」作りに取り組んでいます。農作業時に女性が気軽にトイレに行きづらいという問題や、放棄竹林の活用といった地域農家の課題解決に取り組みます。また、排泄物を堆肥に変えることで、環境にも配慮した循環型のトイレ作りを目指します。
 インターンは、一般社団法人「九州のムラ」が、農林水産省の採択事業として、移住や就農に興味を持つ人を対象に行うものです。関係人口拡大による農村部の活性化を目的として、昨年から地域に滞在しながら農業研修を行っています。
 昨年に引き続き研修を受け入れるのは、キウイフルーツ生産者で農家民宿「大道谷の里」を経営している中島健介・加代さん夫妻。昨年の研修生はすべて女性で「園地からトイレが遠い」「農作業でみんなが忙しいときにトイレに行くのは気が引ける」といった声がありました。解決策を模索していたところ、同じ研修生でコンポストトイレ作りのワークショップに参加していたことがある竹森祐子さんが提案し、実現しました。
 トイレは、中島さんのキウイ園地があるすぐそばに設置。外壁の芯の部分には地元の竹林を使用します。また排泄場所に竹炭を入れることで、消臭や通気性を良くする効果があります。
 研修は10月下旬から翌年1月にかけて計3回を予定。1回目の研修では、土台作りや柱立てなどを約1週間かけて行いました。柱などの材料集めや建設には、地元の大工である平島康樹さんが協力します。研修生らは「将来自分の農園にもコンポストトイレを作りたい」「プロの技術が学べるので勉強になる」と汗を流しています。1月中旬に完成予定で、その後は半永久的に使用できます。
 今年の研修では、竹森さんは現場監督として後輩研修生4人と一緒にトイレ作りに励んでいます。宮城県在住の竹森さんは「日本全国を回って農作業を手伝ってきた中で、女性のトイレ問題はいつもあがっていた。女性でも気軽に農作業や就農に携われるような環境が、今後各地で増えていけばいいと思う」と期待します。