TOPICS 新着情報

イグサの始祖、大正院を偲ぶ顕彰祭

JAは10月8日、筑後市折地の正観寺で「大正院顕彰祭」を開きました。大正院は近世の僧侶で、諸国行脚の途中に同市常用地域に立ち寄り、イグサ栽培を広めたといわれています。このイグサを使った畳表が筑後地区の特産品として大きく発展した功績を称え、毎年大正院の命日である10月8日に式典が行われています。

今年も昨年に引き続き新型コロナウイルス感染症対策から規模を縮小して開催。福岡県い業振興協議会をはじめ、7人が参列し遺徳をしのびました。

 大正院の伝えたイグサ栽培は福岡県南部全域に普及し、筑後市や柳川市、大川市など冬季の水が確保しやすい水田地帯で多く見られました。1975年頃は県内で2,000haを超え、「緑のダイヤ」と言われ筑後地方の農家経営を支えました。しかし、生活様式の変化や外国産イグサ・畳表の輸入等により激減し、福岡県内の令和2年産の栽培面積は約4haとなっています。

 大正院がイグサを伝え、最期の時を過ごしたとされる同市常用地区で、行政区長を務める原隆博さんは「最近は畳を使う家も減ってきたが、一時でも筑後の農家を支えたイグサを伝えてくれた大正院に感謝し、これからも供養を続けていきたい」と話しました。