和紅茶生産販売で八女茶の消費拡大図る2020.08.04
八女市矢部村の茶農家、栗原悠次・昭夫さん兄弟は、八女茶を使った和紅茶の生産販売で、茶の消費拡大や振興に取り組んでいます。
2人は和紅茶用に約20aを作付け。品種は「やぶきた」「べにふうき」を主に栽培します。国産茶葉を使った紅茶は、外国産と比べて、渋みが少なくまろやかな味わいが特徴。カフェイン量が少ないので、子どもから高齢者まで安心して飲めるのが魅力だと悠次さんは話します。
紅茶は、肥料を抑えて栽培するため基本的には2番茶以降の茶葉が適しているそうです。6月下旬から7月上旬にかけて摘採します。摘採後は、萎凋(いちょう)・発酵・揉捻(じゅうねん)・乾燥と各工程を経て加工し出来上がります。品種や作り手によって味の違いが楽しめます。
食文化が多様化したことで、紅茶が国内消費者の間でブームとなって以来、現在も続いていると話す悠次さん。2人が経営する「栗原製茶」では、年度末になると需要に供給が追い付かないほどだといいます。
約15年前から紅茶を作り始めた2人。元々、緑茶や紅茶などを自分たちで作るイベントを数人で開催していましたが、人気となって全国から参加者が広がり、製造を勧められたことがきっかけでした。「茶葉が傷むのを発酵と勘違いしてはいけない。きちんとした発酵の技術を高めないといけない。」と話す弟の昭夫さん。兄弟は、和紅茶発祥の地である静岡市の紅茶農家を訪ね、泊まり込みで製法を学び、平成30年に開かれた国産紅茶博覧会では、『紅茶王』を受賞しました。 また、JA管内の茶農家仲間と「八女産地紅茶研究会」を作り、和紅茶を気軽に楽しんでもらおうと、普及活動も続けてきました。
「紅茶にすることで、八女茶の消費拡大に貢献することは意義があること」と悠次さん。今後は「八女は緑茶の名産地だが、良質な紅茶の産地だと言われるようにしたい。」と意欲を見せています。